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重松清「流星ワゴン」


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のりちゃにお借りした本です。

重松さんの作品、読むのは3冊目かな・・?
前読んだ2冊、あまり筋を覚えてないんだけど、とにかく重くて暗くて好きじゃなかった。
実はもうこの人の本は読まなくてもいいかなとさえ思っていた。

で、この本。  やはり重くて暗かった。
でも面白かった!  今までの作品では一番好きかも。  読んでよかった。  

主人公は、リストラされ、妻には離婚届を突きつけられ、引きこもりの中学生の息子を持つ38歳の男。
死にたいと思ってたたずんでいるところに、ワイン色のオデッセイですーっと現れる橋本親子。
3人はドライブを続ける。

実はこの親子はすでに死んでいる。
いきなりの幽霊登場にちょっとビビリながら読み進む。
だからぁ、ホラーは苦手なんだってば。
まぁ、実際そんな怖い話じゃないんだけどね。

人生には、運命の大事な岐路、大切な瞬間がいっぱいある。
そんな自分の過去の瞬間に、主人公は連れて行かれる。 
人生のやり直し?  いやいや、そんなに甘くない。  運命はやはり変えられないのだ。
妻はテレクラで知り合った男達と浮気。  息子は受験に失敗。
職まで失い、悲惨きわまりない。

その過去のシーンで出会うチュウさん。  これは実は若い時の父親なのだ。
まぁ、この本はファンタジーだから、現実感なくてもなんでもアリって感じでいいんだけどね。
でも同い年の父親が登場ってのは、なかなか斬新で驚いた。
で、そのチュウさんも沢山の後悔があったんだね。
荒っぽくて不器用だけど、なかなか好感持てる人物。   結構笑えた。
「黒ひげ危機一髪」(懐かしい!)を買ってあげるシーンがよかったなぁ。
じんときちゃった。
ホントにいい父親じゃない。  それが息子に伝わってよかった。
誤解されやすいのよね、ああいう人は。  

仲良しに見えた橋本親子が、実は本当の親子じゃなかった。
みんな、いろいろ複雑な事情をかかえてるわけね。
息子の健太くん。  たった8歳で死んでしまったなんて・・気の毒でしょうがない。
丘に向かって一人で行ってしまうシーンは、もう涙が止まらなかった。
それと、ラストのところで、チュウさんがカズを助けてくれって必死に橋本さんに頼むシーン。
大泣きしちゃったんですけど。  
チュウさんって、息子が本当に可愛くて可愛くてしょうがなかったんだね。

結局、主人公は健太くん風にいうと「サイテーでサイアクな」現実に戻ってくるんだけど
自分が今までずっと抱えていた後悔と向き合うことができて、とてもよかったと思う。
実際に運命を変えることはできなかったけど、その時自分で出来ることを精一杯やった。
当たって砕けた。  すっきりした。

暗いけど、心温まるエピソードもふんだんにあって、いい本でした。 
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by heartfulwind | 2011-10-16 14:32 | 読書 | Comments(0)
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