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沢村凛「カタブツ」


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えーっと・・こちらも初めて読む作家さん。   この本読むまでは、全然知らない方でした。

表題の「カタブツ」。  
これは6編からなる短編集なのだが、すべて地味でまじめな人達を主人公にしている。
だから、その人達のこと・・だね。
結論から言って、好みはあるけど、どれもなかなか面白かった。

「バクのみた夢」
端的に言うと、W不倫の話です。   2人はどうしても別れられない。  
だから、どちらかが死ぬしかないのだという結論に達する。
そんな、オーバーな・・とは思うが、本人たちは至ってまじめ。
確かに順番だよね。  お互い結婚前に出会っていれば、確実に幸せな夫婦になっていたんだろうし。
で、どっちが死ぬのよ?と思っていたら・・・ハッピーエンド?  
不倫はけっして許されないことだと思ってるから、う~ん・・って感じだけど、まぁ、しょうがないかな。

「袋のカンガルー」
なんなの、この双子の妹。  信じられないくらいのトラブルメーカー。
負けるな、兄貴!と思っていたけど・・ダメでしたね。
双子っていうのは、お互い特別なテレパシーで繋がっているってよく言うから、実際そうなのかしらね。
だから、誰にも間に入る余地はないのか。
チッと舌打ちしたくなる結末。   許せないな、この妹。

「駅で待つ人」
一体彼は何をしたの?と気になってしかたがない。
順番にそこに至った経緯を教えてくれるのだが・・あらら!って結果で。(なんだ、そりゃ?・笑)
私も人間ウォッチング大好き。  この人ほどじゃないけどね。
なんだか、とてもリアルで面白かった。
そうよ、今は携帯があるからね。   私の若い頃は大幅な遅刻やすれ違いがいっぱいあった。
私も2時間待ったことあるし。   どうしてもその日行くイベントに行きたくて、ずっと立って待ってたよ。
いいよねぇ、今の人達は・・。  って、そんなことはどうでもいいし。  
エスペランサが健気で、ちょっとかわいそうだった。
でも、あの大男にも好みはあるしね。   ある意味、気の毒ではあるよ。

「とっさの場合」
あぁ・・不安になる気持ち、すごくわかるな。  その強迫神経症っての。
私もそれほど深刻ではないけど、思い当たること大あり。
バッグに財布がちゃんと入ってるか(何度も中引っかきまわして確かめる)、電気はちゃんと消したか、忘れ物
はないか。   歳とって尚更。
「杞憂」とは、昔中国にいた「杞」という名前の人の憂いからきてるんだってね。  勉強になったわ。
ときどき登場する留奈。   あれ、もしかして・・?と思ったら、やっぱり。
で、ラストにちょっとした事件が。   この「とっさの場合」に・・大変よくできましたよ、奥様。  
及第点差し上げます。

「マリッジブルー、マリングレー」
ちょっとサスペンス調な話。   逆行性健忘症ね。  怖いね、それ。
大きな勘違いだったってことで、私もすっかり安心してたら、なんと!
そこで終わらせないで、どういうことが起こったのか、もっと詳しく教えてくださいよー。  
とても気になります。

「無言電話の向こう側」
6編の中では、これが一番好きかな。   ほっとした結末だったし。
この表紙の作業服の男は樽見さんかね。   そんな雰囲気。
それにしても、えらいよ、樽見さん。   立派だ。   言い訳せず、男らしい。
そして、須磨もとてもいい奴。   あなたのおかげだわ。  どうもありがとうと言いたい。
ただ、最後のオチが・・。^^;   夜中の3時の電話は、やっぱり迷惑だろう。  もうちょっと考えてくれ。
「無意味とナンセンスは同じことじゃないかい」・・笑えた。  「じじいになるまで寝てろ」とかも。(笑)
うん、いい話だった。
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by heartfulwind | 2012-01-21 19:46 | 読書 | Comments(0)
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