お気に入りの伊坂さん。
彼は千葉県の出身らしいが、東北大を出てそのまま仙台に在住。
街中のスタバとかで、よく執筆活動をしてるらしい。
いつかどこかで会えないかな・・と、カフェに入るたび思う。
で、こちらの作品。 あとがきを読むと新聞連載の小説のようだ。
軽めだけど、なかなか充実した内容で面白かった。
主人公は由紀夫。 高校生である。
彼には4人の父親がいる。 母は未婚であり、4股をかけてたせいで、4人。
母も含め、6人で大きな家に住んでいる。
ちょっと信じがたい設定だけど、フィクションだから、読んでる分には楽しい。
普通は恋敵として憎み合う間柄だろうに、4人の父親達はなぜかとても仲良し。
実は由紀夫は誰の子か不明で、それぞれの父親は自分の息子だと信じている。
DNA鑑定でもやれば、ハッキリするんだろうけど、それはやらない。
本当の息子ではないことがわかったら、悲しいからか。
で、その4人の父親がそれぞれ個性的。
猛禽類に近い風貌で、いつも派手な服装のギャンブル好きで陽気な鷹さん。
イケメンでスマート、憂いを含んだまなざし、優しくて女好きな葵さん。
中学校の教師で、筋骨隆々、熱血漢の勲さん。
知的で、いつも冷静沈着、大学教授の悟さん。
ギャンブル好きとか女好きなんてのはダメだけど、それ以外を合わせると、実に理想的な父親像だ。
そんな父親達と息子の、ちょっとしたドタバタ劇と思いきや、さすが伊坂さん。
ひとひねりもふたひねりもある。 少しだけど、お得意の伏線もありだ。
4人の父親と息子のやりとりがまた面白い。
物語の最初から最後まで、息子に対する温かい愛情が感じられる。
どうしようもない天然の鱒二や、色黒の牛蒡男や、実はこわーい富田林さんなんかも、いい。
事件解決のあたりはちょっと出来過ぎの感はあるが、ラストはスピード感ある展開で楽しく読めた。
鱒二の父親もいいオチだった。
これ、ドラマにでもしてくれるといいな。
鷹さんはね、寺島進かな。 葵さんは谷原章介。 勲さんは宇梶さん。
悟さんは・・ちょっと悩むところだけど、上川隆也か辰巳琢郎か佐藤浩市か。
お母さんは、とても素敵で魅力的な人じゃないとね。 真矢みきなんかどうだろう。
なんか、豪華だね。(笑)