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桜木紫乃「LOVE LESS (ラブレス)」


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このタイトルと装丁、オシャレな恋愛小説かと思ったら、とんでもない!
主人公は北海道の貧しい開拓村で育った百合江。
彼女の波乱万丈の人生が綴られている。

戦後なので、それほど貧しくもなさそうなんだけど、かなりひどい生活。
父母と弟3人。  叔母にもらわれていって、10歳で実家に戻ってくる妹。
家族7人での気の毒なくらい貧しい生活の中で、彼女は後に旅芸人になる。

絵に描いたような不幸な人生を歩んできた百合江だが、華やかで幸せな時もあった。
でも、全体的に悲惨で暗い描写が多く、読んでてつらくなってくるのだが、彼女はくじけない。
強いなぁ・・。  子供を抱え、必死に生きていく様はすさまじい。

最後までとても気になってた娘の綾子。
幸せな人生を送っている様子がわかってほっとした。

母親のハギも、勝手に誤解してた部分が多く、最後に彼女の本当の人柄を知ることができてよかった。
駆け落ちだったなんて・・ね。  
酒飲んで暴力振るう卯一は大嫌いだけど、そういう恋愛の末結ばれたんだねぇ。
ハギが理恵に残した紙切れには、じーんときてしまった。

それと、高樹老人。  悪い人ではなかったんだけど・・見栄っ張りの強烈なマザコンでしたね。
でも、自分を産んでくれたお母さんはやっぱり大事。  
奥さんだって大事にして欲しかったけど、ただただ弱い人間で未熟で無器用な彼には、所詮無理だった。

それから最後に出てきた老人。  石黒かと思ったら、違っていた!  これは意外でした。
「ユッコちゃん、だいすきよ」・・これにはやられた。  もうもう涙が止まらなかった。

読後、なんともせつなくて悲しい気持ちになったけど、好きです、この本。
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by heartfulwind | 2012-03-23 19:09 | 読書 | Comments(0)
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