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斉木香津「凍花」


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のりちゃにお借りした本。

実は入院中に読んだのだが、感想を書いてなかったので。
一応このブログは私の備忘録ですから、感想を書き留めておきます。

で、初めて読む作家さん。
この本の題名、「いてばな」と読む。
「しみばな」って読むのかと思った。(「凍み豆腐(高野豆腐)」っていうじゃない)

三姉妹の長女が次女を殺すミステリーである。
ミステリーっていっても、もう犯人は最初に書かれてるし、なぜ長女が次女を殺す経緯に至ったか。
そのあたりが繊細に丁寧に掘り下げてある。

長女として、つねにしっかりと、穏やかで、優等生らしく生きてきた百合。
それは表の部分であって、実はとても不器用で寂しい人だ。
うまく自分を出せずに、誤解されたり、さらにひどく傷ついたり。
みんな少なからず持ってますけどね、こういうところ。
とても真面目なのよね、百合って。  
頑固であり、妥協を許さない。

まぁ、病的な部分もあるんだけど、上手に立ち回れない百合がなんだか気の毒でたまらなかった。
可哀想な百合ねえ・・。
次女が死んじゃったのがとても残念。
生きていれば、まだまだやり直せたのに。
両親だってホント気の毒だよねぇ。

三女の柚香が真実を突き止めていくのだが、そこにたどりつくまで数々の事件や証言が出てくるので
百合の印象がころころ変わっていく。
どれが本当の彼女?  
前半、だいぶ勘違いしちゃってたな、私。
すっかり騙された。
うまいねぇ。

しかし「チャバネ」はひどい。(笑)
私がそう呼ばれてたの知ったら、すごいショックだなぁ・・。

とても読みやすくて、すらすらとあっという間に読み終えてしまった。  
面白かった。
by heartfulwind | 2014-01-23 15:55 | 読書 | Comments(0)
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