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山本音也「殺し屋はバスに乗る」


山本音也「殺し屋はバスに乗る」_d0179686_1747134.jpg

ミステリー好きな私としては、なんとなく面白そうで読み始めてしまった。
しかし、ずいぶん分厚いのよ、この本。
会話が多いので、思ったよりは早く読めたけど、それなりに時間は費やしたわけで、これで全然
面白くなかったらどうしてくれよう・・と思ったが、わりと満足のいく結末であった。

といっても、ストーリー自体はそれほどでもなかった・・かな。

話は男が女を覗くシーンから始まる。
窓の外から、部屋の中を覗くのだ。
なんだか、掴みはイマイチで、ちょっと引いた。

体を売りながら新宿で生きていく女、カナコ。
カナコのような女たちを稼がせて、それを裏金にし、汚いやり口で金を動かしていく男、吉岡。
その吉岡からカナコを守ろうとする青年ガーシー。

ガーシーがね、ホントにいい奴で。
顔も可愛いし頭は普通なんだけど、言葉が侍言葉で。(笑)
自分のこと「ソレガシ」って言うから、ガーシー。
彼の身の上話がすごくつらくて・・。
あの海での置き去りはひどい。
両親、一体何考えてんだか!  言語道断だよ。

殺人事件なんで、刑事もからんでくる。
定年間近の田中。  この人の身の上もちょっと気の毒で。
マジメに刑事やってきたんだけどねぇ。
あ、青蛙ってまさかカナコ?って思ってたけど、やっぱり違ってましたね。
そうよね、顔からして全然違うもんね。

あと、1人暮らしのおばあさん、よそさん。
この人、結構面白い。  肝心な時にすっとぼけちゃって。

ラスト、ガーシーがついに捕まっちゃって、どうなるかとドキドキして、読むスピードがグンと上がった。
カナコはこのまま立ち去るのかと思いきや、思いもよらぬ展開。
意外だったなぁ・・。  さすが、ガーシー。  キミの真心は彼女に伝わってた。
しかも、ずっと前から知っていたなんて。

で、田中刑事よ。  びっくり。  いいんだ、ホントに。  見直しちゃったな~。
あなたも行くべき、松山に。  よそさんと4人でね。
なんか、すごく楽しそうだよ。  

最後はとても温かい気持ちになれた。   読んでよかった。
by heartfulwind | 2014-02-07 17:49 | 読書 | Comments(0)
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