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飯塚朝美「地上で最も巨大な死骸」


飯塚朝美「地上で最も巨大な死骸」_d0179686_18481052.jpg

初めて読む作家さんです。  裏表紙の写真見たら、すごく若い。  
この本を書いたのは25歳らしい。  優秀な方だなぁ・・。

「地上で最も巨大な死骸」と「クロスフェーダーの曖昧な光」の2編からなる作品である。

「地上で最も巨大な死骸」
それは象。  動物園にいる象の飼育員の話。
4匹いるうちの「登志子」(名前が渋い)が、老衰で今にも死にそうである。
近いうちに死ぬはずの、この象中心の話かと思ったら、そうでもない。

動物の飼育ってホント大変よね。  動物が好きじゃないと出来ない。
私はもう臭いで無理。  牛や馬の厩舎にも入れないもの。
毎日膨大な量の排泄物を始末しなければならないなんて・・気が狂いそう。

主人公はインドから寄贈されたオス象パジュラの飼育を担当する「僕」。
このパジュラが、なかなかやっかいである。
付き添いの象使いの前では従順だったくせに、その人が帰ったら、全く命令を聞かなくなった。

そんなこんなで毎日苦労ばかりで、いつも疲れ果てている「僕」には、自殺未遂を繰り返す父親がいる。

そして、衝撃的なラスト。
なに、そういう風に終わる?  なんでよ。   
それが「僕」の望みだったってことなんだけど。
う~ん・・とても複雑な気持ちになった。  

「クロスフェーダーの曖昧な光」
これもまた独特で、とても危険な話。  新潮新人賞受賞作である。
今回の主人公は、照明会社に勤める「僕」。
舞台などの裏役、照明スタッフの一員である。

「僕」は照明係なのに、実は色覚異常者である。
仕事成り立つんですねぇ、それでも。  
症状としては、赤が見えにくい。  桜の花は薄汚く、紅葉はただの枯れ葉だ。
赤系統の色だけ、認識が他人と異なるらしい。

そして、僕には兄がいる。  この兄がまたすごい。
とても優秀で、非の打ちどころがない人物だったのに、ある日突然光を恐れるようになった。
ゆえに、常に部屋を真っ暗にして、一切光が入ってこない空間で生きている。
兄を持て余した両親に頼まれ、弟は兄と2人でマンションに住み、毎日彼の面倒を見ている。

兄が光を恐れるようになった原因は、後半になるとわかる。
そんな兄に対して、ついに弟がやってしまった行為とは・・。
それに対し、兄がしたことは・・。

これも「地上で最も巨大な死骸」以上に衝撃的なラストだった。

2編とも、全体的に重くて暗い雰囲気が漂っている作品。
ひどくリアルで、温かみはまるでない。
でも、不思議に惹きつけられるものがあった。
こういう文章書く作家さんって、結構好きです。
# by heartfulwind | 2013-08-31 18:52 | 読書 | Comments(0)

おめざフェア再び・・


火曜にも行きましたが、昨日もランチの前に行ってきました。>藤崎の催事「おめざフェア」

まず買ったのは、奈良県「柿の葉すし本舗たなか」の柿の葉すし。
ネタは鯖が代表的ですけど、こちらは鮭と鯛も入った3種入りです。

柿の葉っぱって抗菌効果があるんですって。  
夜まで常温保存可能なんですよ。

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3種食べましたが、やっぱり鯖が一番美味しかったですね。
鮭はちょっとしょっぱかったし、鯛はちょっと硬かったかな。

そして、京都府「ル パティシエ ヤマダ」の塩ロールです。

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沖縄の塩で甘みを引き出した、バタークリームのロールケーキです。

ケーキの周りについているのは、シロップに付け込んだアーモンドを細かく刻み、香ばしく炊きあげたもの
だそうです。
ちょっとビニールでよく見えませんね。^^;

甘くて、しょっぱくて、懐かしいバターの風味で、なかなか珍しい食感でした。

でも、夫は「ボソボソが歯に挟まる。 堂島の方が好きだ。」と、あまり食べてくれませんでした。^^;
私も、堂島の勝ちだとは思いますけどね。

おめざフェアは9月3日までやってま~す。
# by heartfulwind | 2013-08-30 22:05 | お買い物 | Comments(0)

KAUKAU(カウカウ)


昨日はかぐや姫さん、えぃみぃさん、まっきぃさんと4人で仙台でランチしてきました。

行ったのは、サンモール一番町にあるハワイアンレストランです。
ベアービルという古いビルの2Fにあり、エレベーターもとても小さくて、降りてお店の入口まで歩きながらも
「大丈夫・・?」って感じだったのですが、入ったらとても可愛らしくて素敵なお店でした。

こちらは日替わりアロハ・ランチ。(お値段:750円)
ライスかパンケーキのどちらかを選びます。
昨日のメインは海老と野菜のピリ辛炒め。
お店の方には、ライスを勧められたのですが、どうしてもパンケーキが食べたかったので、初志貫徹で
いきました。

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う~ん・・確かに、お店の方の言う通り、昨日のメインにはライスの方が合っていたかも。^^;

パンケーキはしっかりしたホットケーキ系で、ボリュームありました。
1枚は何もつけず、もう1枚はハチミツをたっぷりかけていただきました。

サラダが食べ放題なのですが、レタスやサラダ菜などの葉っぱのみ。
プレートにのってるのと同じだし。^^;

スープとドリンクもつきます。  アイスコーヒーにしました。
グラスが可愛い♪

テーブルクロスはピンクですし、植物もあって、いかにも女子が好きそうな感じです。
あ、男性2人連れなんて方もいらっしゃいましたけどね。

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食べログHP


その後のお茶は、電力ビルの「ニューエアリー」に行ったのですが、満席でお客さんが待っていたので
近くの別のお店へ移動。

電力ビルの道路挟んで向かいの、東京日動火災ビルの脇道を入ったところにあるティーラウンジ
「REFRAIN(ルフラン)」です。

今日はマンゴーティーとクレームグラス(パフェ)にしてみました。(お値段:セットで950円)
ドリンクとスイーツをセットにすると、80円お得なんだそうです。
単品なら、マンゴーティーは630円で、クレームグラスは400円です。

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パフェがすごく可愛くて、感動しちゃいました。  
のってるチョコプレートには音符が描いてあるし、フルーツも生クリームもアイスもたっぷり。
ティーカップは毎度同じくアリスの器ですね。
写真撮ったら、ティーポットの蓋に自分がしっかり写っててビックリしました。(笑)
慌ててモザイクかけました。  お見苦しくてスイマセン。^^;

こちらのお店にはグランドピアノが置いてあり、コンサートも開かれるようです。
ちょうど、何かの準備中で、スタッフさんたちが窓に暗幕をかけたりと、バタバタしてました。
そしたら、お店の方が「お騒がせしたお詫びに・・」とマカロンを持ってきてくれました。
キャー!ラッキー!(≧▽≦)   生チョコ入りのとても美味しいマカロンでしたよ。

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お店のHP
# by heartfulwind | 2013-08-30 21:43 | ランチ | Comments(0)

トラットリア エッセ


今日はのりちゃとMさんと仙台でランチしてきました。

行ったお店は今年オープンしたばかりの、あおば通り沿いにあるイタリアンレストランです。

こちらは日替わりのパスタ。(お値段:1000円)
本日のパスタはズッキーニとアーティチョークのリングイネでした。
前菜と自家製パンとドリンクがついています。

まず、パン。  3人分です。  軽い塩味ついてます。

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次に前菜。  細長~いお皿で出てきました。  なんと、生ハムにピスタチオ入り。

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パスタです。  麺がアルデンテで、私的にちょっと硬めだったかなぁ・・。
シンプルな塩味で美味しいパスタでした。

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プラス200円で、自家製ドルチェがつけられるので頼んでみました。
パンナコッタが出てきました。
これで、200円はちょっとお高いような・・。  エスプレッソは濃くて美味しかったです。

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開店と同時に入ったので、お客さんは誰もいませんでしたが、お昼になったら、いつの間にか満席に
なってました。

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よく見たら、明日はお休みでしたね。   危なかったです。(笑)

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食べログHP

その後のお茶は、藤崎に行って、アフタヌーンティー・ティールームへ。
本館の2Fにリニューアルオープンしたんですよね。   
雑貨売り場も広くなって、とても見やすい感じです。

この夏限定、ミルク杏仁とフルーツゼリーのパフェにしました。(お値段:739円)
意外にボリュームありました。

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時間遡りますが、ランチの前に藤崎の催事「おめざフェア」に行ってしまいました。
実はあさって、友達と行く約束をしているんですが、一応下見という形で。
な~んて、ウソばっかり。  しっかり買ってきました。

もう、何度も食べてるんだから、しばらくいいかな・・と思っていたのに、また買ってしまった堂島ロール。
誰も並んでませんでした。   昔は早く行って整理券貰って買ってたのに。

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叙々苑の焼肉ライスバーガー。   特製と辛口。   これ、1人のお昼ご飯にちょうどいいんですよね。
冷凍になってて、賞味期限も来年の3月だし。   以前買って美味しかったので、リピです。

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あさっては、何をゲットしてくるのかな?(笑)
# by heartfulwind | 2013-08-27 20:09 | ランチ | Comments(2)

小川洋子「ブラフマンの埋葬」


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小川洋子さんの本を読むのはこれで何冊目だろう。
好きな本と、苦手な本があるのだけれど、この本はとても気に入った。

少し「猫を抱いて象と泳ぐ」と似ている。  あ、話は全然違いますよ。
あの話は、実はあまり好きではないのだが、作品から漂う雰囲気が似ているというか。

とても優しくて、繊細で、穏やかで、ひそやかで・・。
だけど、無駄のないキリッとした部分も併せ持っている。

ブラフマンは、語り手である「僕」が飼っている動物の名前。
「僕」は、あらゆる芸術の創作者のため古い農家を改造して作られた「創作者の家」で、管理人をしている。
ある夏の日、ブラフマンは森の中で親とはぐれ、キツネに襲われただかして傷だらけになり、創作者の家の
裏庭のごみバケツの横で震えていた。
それを「僕」に見つけ出され、ペットとして一緒に住むようになる。

ブラフマンという名前をつけてくれたのは、創作者の家に住んでいる、墓に名前を彫る碑文彫刻師。
なんて、カッコよくて素敵な名前なんだろう。
クラシカルで、ダンディで。  私は最高に気に入ってしまった。

そして、ブラフマンは一体どんな種類の動物なのか、最後までハッキリとしない。
いずれ、動物名がちゃんと出てくるものだと思って読んでいったのだが、結局「ブラフマン」は最後まで
「ブラフマン」だった。

体全体は茶色い短い毛で覆われ、「僕」の腕と胸にちょうどよくすっぽりおさまる大きさ。
話をする時はけっして視線を逸らさず「僕」の目をじっと見つめ、チョコレート色の可愛い瞳とよく動く
黒い鼻を持ち、手には水かきがあり、太くてしっかりした力強い尻尾がある。
ちなみに、この尻尾は食事の催促の時、ものすごい音量で床を打ち鳴らす。
想像するだけでおかしくてたまらない。
私はなんとなく、カワウソのイメージで読んだのだが・・。
とにかく、とても人懐っこく、甘えん坊で、素直で、臆病で、私はもうこのブラフマンが可愛くて可愛くて
仕方なかった。

でも、この本の題名は「ブラフマンの埋葬」。
最後には「僕」がブラフマンを埋葬するのだと覚悟しながら読んでいった。

だから、この雑貨屋の娘よ。
この娘いつか何かやらかす・・と思って見ていたのよね。 
案の定、やってくれたじゃない。

本当は、その保健所に勤めてるらしい彼氏にブラフマンのことをチクるのかと思ったけど、「私、そんなに
意地悪じゃないもの」と言ってたから、すっかり安心していたのに。

ブラフマンのエピソードが散りばめられたこの本。
上手にミルクが飲めなくて、トイレも覚えられなくて、なんでも齧って部屋をめちゃめちゃにしてしまった
幼児期。
「僕」と森に散歩に行き、泉で生き生きと泳ぎ、疲れたら「僕」のおなかの上でお昼寝。
夢中で息さえせずに、最後まで真剣な眼差しで食事をするブラフマン。
泉泥棒を捕まえた凛々しいブラフマン。
本当に本当に可愛いブラフマン。

ダメだ・・もう、思い出すだけで泣けてくる。

ブラフマンの埋葬シーンも、涙で文字が見えなくなるほど泣いてしまった。
あんなにブラフマンを嫌っていた高齢のレース編み作家の女性。
一晩でブラフマンのために真っ白いおくるみを編んだ。
ホルン奏者が遠く森の中まで響かせてホルンを吹く。
一緒に埋葬した品々にも、私的にとても思い入れが強くて、本当に号泣した。

こんなに泣いたのは病院で読んだ「出口のない海」以来?
あれ? 他にもあったっけ?  ダメだ、忘れてしまった。^^;

この本、ペット飼ってる方は読まない方がいいかもしれません。
あまりにもせつなくなって、涙が止まらなくなると思います。
# by heartfulwind | 2013-08-23 21:09 | 読書 | Comments(0)